キャンディーちょうだい

すっかり遅くなりましたが、明けましておめでとうございました。
みなさまの一年が楽しく健やかであるよう、便所の陰よりお祈り申し上げております。
くすんでいく一方のわたくしですので、せめて視覚的には新鮮さを感じてもらいたく、爽やかな画面にしてみましたので、昨年に引き続き、どうぞよろしくお願いしますほんとに。


すっかりご無沙汰しておりましたがみなさまにおかれましては晴れやかな一年の始まりを謳歌していらっしゃいますでしょうか。
わたしはゼクシィのコマーシャル、ことにお好み焼きをウェディング・ケーキに見立ててケーキカットの練習をするものにムカっ腹が立って仕様が無いのだが、三十路独身の妬みと言われればそれまでなので大きな声では言えない、という悶々としたイチモツを爆乳に秘める毎日を送っています。
同じく鼻につくコマーシャルである缶コーヒーの福山雅治については、苦情を申し立てても多分8割方の賛同は得られるだろうと推測しますが、ゼクシィになると「何カリカリしてんの?」「だから結婚できないんだね・・・」と同情を買うことにもなりかねない気がします。まあ、基本的におめでたいことに難癖を付けるのは立派な大人のすることではありませんからね。わたしだって「新婚さんいらっしゃい」を微笑ましく鑑賞するだけの度量は持っているつもりです。持っているんですが・・・でもあれはなあ・・・結婚間近の方や既婚者の方、あの一連のコマーシャルに親近感が湧くものなんですか・・・?


そんなこんなで元気に過ごしているわたくしですが、近頃は初対面の人に「趣味は映画鑑賞です」と自己紹介して「最近観た映画は?」と質問されても困らない程度に映画を楽しむようになっております。映画といっても封切りのものではなく、DVDで借りられる旧作なんですが。


年末に誘ってもらった会社の忘年会で、わたしを除くほぼ全員が「80年代のハリウッド映画は最高だ」と盛り上がりましてね。
「『プレデター2』は必要か必要じゃないか」「『ロボコップ』の主人公は転勤一日目であんなことになって、いくら映画とはいえかわいそうすぎるのではないか」「『ランボー』のスタローンは、あそこまで怒らなくてもいいんじゃないか」などという議論が熱く交わされていたところ、わたしが「ロボコップ」「ランボー」を観たことが無く、「プレデター」を日曜洋画劇場的なもので断片的に観たことしかない、と言うと、一同から「観たらモテるから借りて来い」と強く勧められたので、暇だしとモテたくもあるしで先日「ロボコップ」と「プレデター」「プレデター2」を観てみたところ、なるほど程よく、思いのほか良かったのです。


何も考えず「わあ、爆発した!」とか「わあ、痛そう!」とか「シュワちゃんてすごい!」とかただ観たものがダイレクトに脳みそに届く爽快さといいますか、小難しい理屈がたいして出てこないので、ポテトチップ(のり塩)をおいしくいただける余裕を持って楽しめるところが素晴らしいと思います。
時間的にもだいたい1時間半で終わるので、集中力の持続という生物学的な視点から見ても、娯楽作品として立派だと思います。
いやほんと良く出来てますよハリウッド映画は。こればっかり観てたらバカになると思いますが、あ、でも健全な大人になるかもしれません。映画のジャンルにもよりますけど、結局は勧善懲悪だし、最後まで諦めずに頑張った人が助かるし。だいたいパニックになっちゃうのはおバカさんがしでかしちゃうからだし、「どんなときも冷静に、目の前の困難に全力で立ち向かいましょう」っていうメッセージは根底に見出せるといえば見出せます。
ミニシアターでやってるような、何がテーマなんだかさっぱり分からなかったり、2時間以上座ってたけど鑑賞後感が著しく悪かったり、といった文化臭やオシャレ臭が漂う作品も必要でしょうが、日々黒白付けられない問題を抱えて鬱々と過ごしている人にとっては、こういった、たとえ始めって1時間経過してから観始めてもストーリーが7割方把握できる、というシンプルで緩急がはっきりした、日常と切り離された感覚を味わえる映画も大事なんじゃないでしょうか。


わたしの映画観はさておき、「ロボコップ」「プレデターシリーズ」を観たと忘年会の面々に報告したら、わたしが理解できていなかったロボコッププレデター情報を教えてくれたり、「『ロボコップ2』は観なくていいけど、『エイリアン・バーサス・プレデター』は観た方がいいっすよ」と新たなオススメ作品を紹介されたりして、人と目の合わせられないわたしでも愉快に会話をすることができまんたよ。いやあ、映画っていいモンですね!
ところで「ロボコップ」を観たことのある方にお尋ねしたいのですが、確か2回くらい劇中に出てくる「全部で1ドルだ」って何なのかご存知ですか?多分何かの商品かサービスのキャッチフレーズと思われるのですが。アメリカンジョーク?


ということで昨日は「エイリアン」をシリーズで押さえようとツタヤ半額セールに乗じて借りてきたんですが、お会計の時、店員のお兄さん(多分年下)に「えー、レンタルされるのは、『エイリアン』のワン、ツーでございますね!」とものすごい笑顔で確認されました。
そうだけど!確かにそうですが!幻想的な世界観が高く評価された映画、「パンズ・ラビリンス」も一緒に出してるじゃない!風邪予防でマスクを着けてる、座敷童子然とした人がエイリアンシリーズを半分観了するのがそんなにおもしろいっていうの?!東京風に表現するなら「ウケる」か!「超ウケるんですけど」か!畜生、ああ、ピロートークの話題にして彼女を存分に笑わせるがいいさ!
今度は「エイリアン」の3と4、そしてその次は「エイリアン・バーサス・プレデター」シリーズ、そのまた次は趣向を変えて「ターミネーター」シリーズを、順番待ちの列を乱してでもその店員さんのいるレジで借り、店員間で「エイリアンの客」としてフェイスハガー並に迷惑な存在になろうと思います。アイルビーバック!