Jack Jack Your Body

こんばんみ!
皆様におかれましては小さい秋を見つけたりほじくり返したり入れたり出したり付けたり付けなかったりとお忙しい毎日をお過ごしかと思いますが、わたくしは明日ウエイトレスをすることになりましたよ。あ、今風に言えばレストランのホール?
会社がやってるレストランが半端なく人手不足ってんで回ってきたんですけれども、このわたしを給仕の仕事を与えるなんて、正気の沙汰とは思えません。なにせ深夜枠だから、明るいうちから人前に出しちゃいけないと思うんですよね。いくら緊急事態とはいえ土ワイにおける古谷一行と木の実ナナの例にも明らかなように、越えちゃいけない一線ってありますよね。
まあわたしとしては賄いで昼食代が浮くのが嬉しいところではありますがね。あと場所柄のせいかオシャレ仕事関係風な異性がちらほら来るので、それも楽しみです。やだなあ、捕まるようなことはしないって!


さて愛されOLごだまめさんの上京してからの楽しみは、仕事が早く終わった日に会社近くの駅ビルに立ち寄ってクロップド・パンティやカラータイツや多機能ボールペン(シャーボは除く)などを物色することなのですが、先日は仕事で使う本があるので駅ビルに入ってる本屋さんに行ってまいりました。


元来、本屋さんに入るという行為そのものが自分の偏差値が上がった気がして好きなのと、駅ビルにある本屋さんは関西にはないお店ということもあって物珍しく、そう特異な商品展開でもないのに行くと結構いろんな棚をうろつきます。こないだは児童書コーナーでポニョの絵本読んだり、文具コーナーで卓上カレンダーの月を繰ったりしていました。あとスイカの絵本風スケジュール帳が売ってまして、なんと赤ちゃんペンギンがサブキャラ的に登場しており、非常に狂おしかったです。金玉手帳、堪えとけばよかったなあ。


お目当ての本を確保し、手汗をにじませつつ文庫コーナーに行きましたら河出文庫のフェアーをやっておりましてね。ここはわたしが好きな須賀敦子笙野頼子を出してちくま文庫エスプリを感じさせるかと思えば高田純次の『適当経典』も出して下品を曝していたり、とちょっと気の利いてて好きなので、平積みにされている本を眺めていたら鷺沢萌の『私の話』が。
笙野頼子の文庫本の後ろの方に載っている「河出文庫ラインナップ」みたいなやつに載ってて気になっていたので購入。


帰宅してから読みましたが、一気に2時間も経たないうちに全部読んでしまいました。
解説文を見ておもしろエッセイだと思っていたのとは全然違い、お母さんの病気とか、自分の国籍と逸れにまつわる暗い話とか、わりと重いテーマが3本入っていたんですけど、鷺沢萌の、周りや自分を分析する目がいちいち冴えてるんですよね。そして重いけど湿度がない、と言うのでしょうか、自意識をこじらせてる人だとは思うのですが、一切甘えがなく、十年来の友人に昔の話を持ち出して「あの時わたしは辛かったのになんであんなことをしたのか」とぶちぶち文句を言うような自分が大変恥ずかしくなりました。


ほんと自省がすごいんですよ。かといっていじけているわけではなく、「何か?」と開き直るわけでもなく、ものすごい冷静にもがきながら前に進んでいそうな感じというのでしょうか。西原理恵子が東京で育って、文章の方に進んでいたらこんな感じだったと思います。
多分西原理恵子を好きな人は気に入ると思いますので、未読の方はぜひ。いろんな読み方ができる底の厚い文章なので、きっと何かしらひっかかる部分はあるはずと思います。
もうわたしみたいな人間が好きになるのもおこがましいくらい、気合いの入った人だと思うんですけども正規の値段で買ってるから許してください。


前に一冊だけ短編集を読んだ時はスカスカしているだけな感じであまり面白いとは思わなかったのですけれども、この際他のも読んでみようと思います。自殺されてしまったから、新刊はもう出ないっていうのが残念ですが。