安心な僕ら

一雨ごとに秋が深まる今日この頃、天高く馬肥ゆってますか?ごめんなさい、「馬並み」ってそんな下卑た顔されても、わたし一体何のことだか・・・。


去年の今頃もそうだったんですけど、OL用語で言うところのオフにて「てゆうかありえない」ということが起こってしまって非常に困っています。今現在、日本で「聞いてないよ!」を言っていいのは上島竜兵とリーマンブラザーズの社員とわたしくらいのものだと思います。いやほんと参りました。
友人Aに相談したところスピリチュアル方面にまで話が及び、「前世がイナゴで、ちょくちょく蝗害起こしてたからその罰」ということになりましたが、生まれてこのかたくよくよするのがデフォルトなうえ、根性が根腐れているのでなかなか立ち直れません。



景気の悪い顔をしていると麻生太郎内閣総理大臣みたいに左右口角不適合になりそうなのでっていうかすでにわたし笑顔をつくると頬の上がり具合が違ってて性根の悪さが露呈しちゃうんですけども、まあとにかく周りの人に気を遣わせるのも迷惑なことなので、「今まで気になっていたけど諸事情で手にできなかったアイテムを思い切って自分へごほうび★」という字面だけ見れば年齢にふさわしいアクションに励んでおりましてね。


香水とか高いシャンプーとか靴とか揚げ菓子とか炭酸飲料とか女のコらしいもので済ませているのですが、単に消費するだけじゃあ結局何も残らないわよね?ってことで昨日は『かもめ食堂』を借りて来ました。


たしかわたしの両親がわざわざ連れ立って映画館に観にいったほど評判良かったと思うんですが、面白かったです。というか観ていて気持ちが良かったです。
もたいまさこが飛行機で荷物を無くされてしまった人」っていうキャスティングで言わずもがななんですけども、いちいちちょうど良い感じでした。うちの父親はこの映画で描かれているような生活はあまり好きでないと思うのですが、それでも面白いと言っていたのは、「こういうの」の良さ(例えばもたいまさこマリメッコを着ることのおかしみ)を丁寧に説明していたからだと思います。あと食べ物がおいしそうだったのも良かったです。揚げ物が特に。
先に原作を読んでいたんですけど、3人とも別に愛されOLとか外資系バリバリOLとかアーティストとかじゃなくて、そして何の苦労もなくフィンランドに来れたわけじゃないんですよね。マサコさんはちょっと日本での生活を話してましたが。
ごくごく平凡な、どっちかっていうと誰にもそう羨ましがられない生活を送ってきてて、特にミドリなんかは自分のことをあまり好きでない雰囲気なんですよね。三者三様にクソ真面目に地味に生きてきた過程が映画でも観たかったんですけども、代わりに原作では全く無かったムーミン豆知識を入れたからそれで良しとしてくれ、という製作者の意図かもしらんです。


そんな具合で今日は『クローズド・ノート』を借りて来ようと思います。いや半額なんですよ駅前のツタヤが。あと無職時代の支えになった笙野頼子の小説を読みたいのですがこんな時期に読むとだいぶアレなんじゃないかと躊躇しております。説教臭くなくて程よく前向きなのってないかしら。重松清あたりか。・・・町田康は絶対違うよなあ。