ジェニーはご機嫌ななめ

会社の編集部在籍の50近いおばさんが、長年の不摂生が祟ってものすごく太っているため、「とりあえず定時退社していいから、アフターファイブにフィットネスクラブに通って生活のリズムを取り戻してください、会社がお金持ちますから」という寛容な措置をして2年近く。おばさん、いやおばはんは10キロ程度体重を落としはしたものの、相変わらず始業時間ギリギリに出社、食事はほぼ毎食コンビニ弁当かファミリーレストラン、などなど生活のリズムは一向に改善されず、さらにそのうえ業務上のミスを隠蔽するなど、大変に胸くその悪いことをしている。
それなのにそのおばはんのフィットネスクラブの費用を持つ我が社。経営状態悪化してるんだから、不要な費用は無用だ社長!と愛されOLなわたしですらJ-RAP風に韻を踏みたくなるというものです。秋から4キロ太り、体力のか細いわたしのヨガ代を払ってくれるんなら話は別だけど(胸元を強調したポーズをとりながら)?


といったように、うららかな陽気とは裏腹に腐りきっているこの週末、ごだまめさんの爆乳に積もるわだかまりを和らげてくれたもの。


おしゃれカッフェのパン。
京都のオシャレっ子には「パンがおいしい」とかねてから評判らしいお店なんですが、本当においしいんですよパンが。10年近く前、いけすかない金持ち娘に連れられて行ったのがわたくしの初訪問でした。彼女の恋話を延々聞かされながら食べたクロックマダムのおいしかったこと!
場所をはっきり覚えてなかったのですが、「パンが食いてえ!パン!」という欲望に突き動かされ、ネット検索をして二ヶ月ほど前、妊婦の友人Kとめでたく再チン入。薄茶色い人間は我々のみ、というオシャレまったり空間なんですが、やっぱりおいしかったんですパンが。
先日友人Kが「うまいパンが食いたいナア」とメールを寄越してきたので、今日再びこそこそと向かったのですが、店の一歩手前で迷い、なかなか辿り着けませんでした。ものすごく単純な場所にあるというのに、どうも店側から拒否されたようです。まあ、よくあることですからさして気にしません。
今日わたしはホットドックとアップルパイ的なパンを食べたんですが、これがまた普通のホットドッグじゃなくてね、ウインナー(もう、股間にあるやつじゃないってば!)とホワイトソースをパンに挟んで、その上にチーズを振って焼いてあって、何ていうんだろう、ホットサンド的な作りになっているのよね。こってりしていてものすごくおいしい。難を言うならパンが分厚くてナイフで切り辛い、ってことですが、ワイルドに手で掴んで頬張ればノープロ!ハイセンス空間で気負い無く自然体で振舞うあなたに、異性がメロメロになること間違いなしです!集え春の狩人!ここに連れ込めば寝技に持ち込めます!多分!
※アップルパイ的なパンもとてもおいしいです。210円。


●プレゼント探し。
パン祭り後、友人Kと、「友人Aとその彼氏に、お付き合い開始のお祝いとしてペアー・ショーツを贈ろう」と大丸デパートの紳士下着売り場に赴くも、予想外に高いカルヴァン・クラインに撃チン。いやあ、高いんですね男性のアンダーウェアも。意外にもお手ごろ価格だったブルックス・ブラザーズのトランクスを物色している最中、どちらからともなく「そもそも『彼女の友達にもらったパンツ』、って男性的にはどうなんだろうか」という疑問が。
方向性を再検討するため、エジプト綿の肌着やビキニパンツなどを一通り冷やかしたあと、「とりあえずAのショーツを片付けよう、手の届く値段のオシャレトランクスも一緒に売ってるかも」と京都の流行発信基地:藤井大丸の下着売り場へ。男性用下着は売っていなかったのだが、「休日、Aが彼とブランチをまったりと食べる時の下着」といったシチュエーションにピッタリな下着セットがあったのでヒップハンガーショーツとともに購入し、「いいことしてるよアタシたち!」「いい友達だよね!」とテンションをあげる。
彼氏の方は、結局「靴下ぐらいで、サッカー好きらしいからスポーツブランドのでいいんじゃないか」ということに落ち着き、プーマにて、ロゴマークが大胆にあしらわれたスニーカーソックス(黄色と緑)とヒョウ柄が小さくドット状にプリントされたハンケチーフを購入したのですが、レジに行くまでに友人Kが「リストバンドをプレゼントしたい、このブロックチェック柄がことに良い」といきなり暴走を始めたので収めるのが大変でした。
いやあ、人への贈り物を探すのって、無条件に楽しいものですよね!プレゼントする人の顔を思い浮かべながら物を選ぶのは、自分の物を買うときとは全然違う面白みがあって、やめられません。この次にくるプレゼントは、おそらく友人Kの出産祝いなんですが、今からそれはそれは楽しみでヨダレが出そうです。待っててね!友人Kとそのベイビー!あ、旦那さんも!


くまざわ書店の新書売り場にいた学生二人組。
新書コーナーにて、文章力に磨きをかけるため、自分にはこの本が必要では、とこれを買おうか買うまいか迷っていたところ、「クリスマス、バレンタイン・デイなどのイベントを嗤う皮肉屋ではあるが、しかし結局は『嗤う』という行為自体が恋愛至上主義のこのポイズンな世の中に踊らされている、ということの証明である、ということにはまだ気付いていない」といった風情の学生と思しき二人組が隣りに。
「新書って増えたよね、昔は岩波しかなかったのにさ」と知ったような口調(女は知らないでしょうけど、ネッ!)で話す彼ら。
「4-2-3-1―サッカーを戦術から理解する」の著者、杉山茂樹は「結局実戦を理解せず、データだけで サッカーを語っている。サッカーをおもしろく解説しているのは在野の人物」だそうです。
そして「ラブホテル進化論」は、「作者の経歴と出版時期からして、おそらく修士論文をそのまま新書化したはずである。帯に著者がツラ出ししている時点で、『タイトルだけで中身は何もない』ということを露呈してしまっている」そうです。
そうかあ、社会情勢や芸能人以外の著名人に弱いから、おばさん勉強になったよ!ありがとう!
補足ですが、「ラブホテル進化論」について、片方が上記のようなことを冷たい口調で言い放ったあと、もう片方が「ちょっと顔がキレイだからって帯に出ちゃってさ」と連れ合いの機嫌を伺うような、自分の美醜感覚に不安げな、でもくすぐったそうな口調で話していたのが童貞らしくて微笑ましかったです。うん、キレイな人だってわたしも思うよ!君の感覚は間違ってない!自信持って!恋愛に必要なのはファッションセンスやテクニックやエスプリの利いたジョークなんかより、相手への素直な気持ちと思いやりだよ!
しかし新書ブームとはいえ、加藤鷹が新書を出していたのには驚きました。さすがベストセラーを量産する幻冬舎。いろんな意味でうちの会社の部長クラスの人に配りたい。


●知人から教えてもらった、みうらじゅんクエンティン・タランティーノをインタビューしたときのちょっとイイ話。
DT解説第一人者として、みうらじゅんが「童貞を捨てたのは何歳?」と質問したところ、「16歳」と答えるもなぜか挙動不審なタランティーノ。「え、本当に?」と重ねて問うと、「ほんとに好きな人としたのは25歳のとき」というよく分からない返事が。みうらじゅんは動揺の収まらないタランティーノに優しく「日本では、童貞を捨てたのが遅ければ遅いほど尊敬されるんですよ」と言ったそうなのですが、それにしてもいっかいウソをついちゃうっていう無駄な虚勢が可愛らしくてなりません。
しかも「16歳」という、異性経験がアレな者が抱きがちな「モテる人が童貞/処女を捨てる年齢」という感覚。タランティーノ、もうおっさんなのに自意識がハイティーン並です。いいなあ。イカ臭いなあ。
イヤわたしもロストヴァージンしたのはそう早くはありませんでしたし、「ほんとにわたしのことを好きな人」と交渉したのは割合レアケースなので、タランティーノよりかわいそうだと思いますよ、ええ。意味の無い不幸自慢はこれくらいにしておきますが、しかし暴力的でありながら甘甘ロマンティックな「トゥルー・ロマンス」の脚本をタランティーノは24歳の時に書いたらしいのですが、このインタビューの話を信じるなら、彼は童貞時代にあの脚本を書いたということになります。
トゥルー・ロマンス」には確かベッドシーンが複数回あったと思うのですが、多分「この濡れ場、リアリティがないね・・・ココもちょっとね・・・」って監督なんかにお色気シーン部分を書き直されたんじゃないかなあ、童貞だから悔しくてあんなバカップルの話書いたのかなあ、とわたしの中の「くだらない映画箱」に「ハムナプトラ・失われた砂漠の都」なんかと一緒に入っていた「トゥルー・ロマンス」が「感慨深い映画箱」に即移動。
ちなみに今の彼女は「デス・プルーフ」に出演しているマッチョな女スタントマン役のゾーイ・ベルらしいです。やはり「守るより守られたい」ということなのですね!「あなたは死なないわ、わたしが守るもの」的な!戦闘美少女Moe!わたしも守られたいな〜この際ワガママは言わずに「おジャ魔女どれみ」とかでいいからさ〜。そうそう、前々から思ってましたけど、アニメ「プリキュア」に由来する「プリティ・キュアー」もしくはズバリ「プリキュア」っていう店名の風俗店、絶対ありますよね。ドコをカワイコちゃんにキュアしてもらおうかなあやっぱりココからだよなあグヘヘヘヘ(チャックを開きながら)。


それではみなさん、来週も働きマン!コ!
区切りを入れたのはせめてもの良心です。