飲み込むすっぱい痛みも

本日昼、十年来の友人Aから「好きな異性に告白された。グヒー。」とのメールを受け取る。
Aは突っ張ってるけどホントは素直でキャワイイ若干不思議ちゃんで、そしてわたくしのような医療廃棄物とも長年仲良くしてくれるイイ娘でもあるし、数年前に異性関係で非常に手痛い目に遭ってしまったことも併せ持って、大変に喜ばしい出来事なので祝いの品を贈らないといけないのですが。


が、です。
笑顔で祝詞を述べるべき場面においても、いやそんなシーンだからこそ、わたしの爆乳に立ち込める暗雲。
それは「このままAが結婚しちゃったら、未婚友達がほとんどいなくなってしまう」という妙齢の独身女性にありがちな焦りと嫉妬と寂しさが入り混じった、もきもきした思い。


Aは東京在住だから年に数回遊ぶ程度だし、ティーンのように毎日連絡を取り合っているわけでもないので、よくよく考えてみれば、Aが結婚することによる具体的な不都合というのは「夜に電話が出来ない」「モテない身の上を吐露しあう」の二つなのですけれどもね、でもこれがあなた、「二つ」って数でいえば少ないですが、質としては非常に重いことなんです。わたくしはなにぶん昆虫人間ゆえ、安心して話をすることができる友人というのがとても少ないので、一人でも抜けられると大打撃なんですよね。
京都在住の未婚友達:N(谷亮子選手似)は派遣業務を渡り歩いてはたまに掴みどころのないアバンチュールを楽しみ、「ネコがいれば彼氏なんかいらな〜い」って真顔で言うようなホンワカぶりぶりなアレですから、Aとわたしが今までしてたような、「いやあ今の名字にこだわってる訳じゃないんだけどさ、何か改姓ってひとりじゃできないらしいよね」という顔で笑って心でむせび泣きトークを共有できないってワケですよ。超不便!


とかぐちゃぐちゃ書いてるけど、結局は「自分とそう変わらない立場のはずの友人が結婚できそうで羨ましい」ということに集約されるのでしょうか。
・・・イヤです。ガッついて友人に嫉妬している昆虫人間なんて見苦しい以外の何者でもありません。カメムシです。臭いです。目と鼻にツンときます。でもイカ臭くはないです。
しかしカッコ悪い自分も、確かにわたしの一部分です。自分のコト、まず他の誰でもない、わたしが好きになってあげなきゃ・・・っていうか誰も好きになってくれないからね!ね(歯を剥きながら)!


というようなやるせない思いを解消しようと知人にアドバイスを求めたところ、「まあこれでも観れば」と薦められました。

ヌルい。徹底的にヌルい。寄るときは寄る、引く時は引く、のメリハリの効いたカメラワークも秀逸です。あと効果(と言っていいのか)。お金と手間がものすごく無駄にかかってると思います。この手作り感、和製ミシェル・ゴンドリーと言っても良いかもしれません。
新作のタイトル「J−POP」からも伺えましたが、これはもうほんと半笑いぶりが完璧です。
すごいなあ、「俯瞰する」ってこういうことだと思います。


それにつけても、電気グルーヴの音楽を聴くと「自分に酔う暇があったら面白い顔でもして人を笑わせろ」というメッセージを感じます。
おかげさまでギンギンにおっ立ってたメランコリー風味の嫉妬も収まりましたよ!ありがとう知人!パッション・立ちション・小栗旬