眠れるまではそばにいてね

パフュームへの思いが募るあまり、半月ほど前から、友人からのメール着信音(着うた)を一年ほど前から愛用していたくるりの「ワールズエンド・スーパーノヴァ」から「エレクトロ・ワールド」に変更しました。
「この道を走り進み進み進み続けた」ってところが流れます。
携帯映えするディジタル・ビーツな曲なので気に入っているのですが、友人からのメールがなかなか来ないことが大いに影響し、彼女たちのクリヤーでプラッチックな歌声を楽しめるのは3日に一回くらいで、その度に「アレレ?なんで繁さんの『ドゥッビードュビーダダドゥー』じゃないんだっけ?」と小首を傾げてしまいます。歳をとると環境の変化に適応しづらい、っていう良い事例だと思います。


ということで本日はどうにも体がだるく、例によって仕事が暇なのをいいことに、会社を休んでおりました。
調子が悪い時、寝入る前などでただ横になっているだけだと、暗いことばかり考えてしまうので、なるべく読書して気を紛らわすようにしているのですが、今日はジョジョの第五部(イタリア編)と三崎亜記の「となり町戦争」を読みました。
ジョジョ第五部を読むのはこれで3回目くらいなのですが、やっとスタンドの特性が理解できてきました。なにぶん頭がユルいので、一度読んだだけでは「クラッシュに攻撃された時、なぜジョルノはわざわざエアロスミスに撃たれたのか」とか意味が分かりませんでね。
でも、頭におがくずが詰まっていてもプロシュート兄貴の素晴らしさについては、初めて読んだ時から讃えるべきものと思っていましたよ。第五部で一番かっこいい敵だと思います。スタンドの造作は腸がはみ出してるみたいでスタイリッシュさに欠けますけども、能力が「歳をとらせる」ですから、どよーんとしてて良いのかもしれません。
「ブっ殺すと心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」という言葉、そしてボロボロになっても死ぬまでスタンド能力を解除しない、という行動に表れる、高い行動力と並々ならぬ意志の強さ。おそらく「掘られてもいい」と男子が思うジャンプマンガのキャラクター・ベスト10にはランクインするはずですよね。映画化するなら、どうせしょぼくなるのでしょうけど配役はせめてジュード・ロウでお願いします。ああしかしかっこいいです。ボスのディアボロよりよっぽど男気があります。あ、あと今回初めて気付いたんですけど、キング・クリムゾンて人面瘡みたいなほうが喋ってるんですね。あれ、「先が読めたら失敗しなくてずっとボスでいられるじゃん?」っていう使い道は非常に分かりやすいのですが、セコくてわたしは嫌いです。


ああプロシュート兄貴の言葉を確認するためにジョジョを読み返していたら日付が変わりそうになってきましたので、「となり町戦争」については内容はさておき、突拍子ない出来事をとりあえず受け入れる主人公の抑揚のなさや、掴みどころのない女性の描き方をはじめ、一見無味乾燥を思わせる文調、言葉遣い(顕著なのは形容詞の「平板」)に至るまで、ものすごく村上春樹の影響を感じまんたよという、おそらくこの本が出た時に頻出したであろう感想で勘弁させていただきます。
あと、メディアミックスとかいう芋づる商法をゴリ押ししたかったのかもしれませんが、映画には向いてないと思います。見てもいないのになんですけれども、この作品のどこに映像化する必要な部分や映像栄えする部分があるのか全く分かりません。「原作」ってのは、「バラして組み換えたら脚本に!」っていうお手軽便利なモンじゃないだろうよまったく。


良い作品が「消費物」と見なされて適当に扱われているように感じて腹が立ってきたのですが、おそらく当の作者に困惑を与えてしまうほどの関係ない怒りですね。これはきっと日常生活がうまくいっていないことからの逃避の一手段です。今年三十路を迎える社会人が会社を休んだ日の夜にすることではありません。
薄汚れてきたピグレットのぬいぐるみを握ってさっさと就寝します。明日はきっと新しいわたしに会えるよね!