パーフェクトスター・パーフェクトスタイル

godamame2007-12-16

こんばんは、コイてますか?
・・・ヤダ、「何を?」なんて女のコに聞くのはセクハラ!


知人が家に遊びに来た折、「ごだまめさん所有のCDを聴いてよいか」とCDケースを物色し、久方ぶりに歌姫ビョークの「Vespertine」を聴く。


そうだった、このアルバムはわたしが理解できるギリギリラインのビョークの音(とビジュアル)なんでした。
me companyがジャケットデザインしている頃のアルバムは、サブカルチャーに憧れている田舎娘の耳にも親切なアヴァンギャルドさがビョーク本人のチャーミングな容姿と相まって大変に魅力的でした。
「テクノがイケてる」と思い込み、いわゆる普通のポップミュージックをほとんど受け入れなかったかわいそうな女子高校生だったわたし(もちろん恋は未経験☆)なのですが、ビョークはテクノ・ミュージッシャンに曲のリミックスを頼んだり、プロデュースしてもらったりしていたので、彼女については「ポップだけど別格、しかもオシャレ雑誌にも載ってるからファッショナブル!」という位置づけになっていました。友人からの「あんた、眉毛のあたりがビョークに似てるよね」という言葉を大変に嬉しく反芻していたものです。そして未だにビョークが履いていたリーボックポンプフューリーが欲しいです。ああ、これパンチラしてますね。・・・わたしが男だったら、使えません。自分の粗末なモノなど、彼女に釣り合いません。


「POST」の初回限定の紙パッケージをボロボロにしたり、シングルをほとんど全部そろえ、リミックスをしていたスカンク・アナンシーに興味を持ってみたりと結構熱心なファンだったのですが、「Vespertine」以降はめっきり分かりづらくなってしまい、アルバムは買うものの数回聴いて棚にしまい込む、というパターンでして、最新作「Volta」は一度聴いたものの、「これは車向きじゃないなあ、顔が青いってなんだか『地獄甲子園』の映画を思い出すなあ」という理由で歌詞カードすらまともに開いていません。


そんなにも好きだったのに、歳を取って脳みそが鈍感になっていることに加え、分かりやすいインスタントなものばかりに触れているから、どんどん遠くまで行っちゃう彼女をもう理解できなくなっちゃったんだなあ、と少し感傷に浸りながら「いやあ、いいよね『ヴェスパスタイン』はさあ、この繊細な音がまた。」と知人に言うと、「『ヴェスパタイン』でしょ?ほら、ここにも書いてあるよ。」とCDケースを見ながら、電車等でお年寄りに席を譲る際のような優しい声で訂正されました。


自分のヌルさにほとほと困り果てつつ「『Pagan Poetry』のビデオって確かものすごい痛そうだったけどどんなんだっけ」とようつべっていたら、起こった当時話題になっていた「ビョークが失礼なことを抜かしたリポーターをボコっている」という映像を見ることができまんた。


いやあ、野坂昭如と大島渚の殴り合い程度のものを想像していましたが、予想以上でした。押さえつけられた後も暴れているところが素晴らしいです。
すごいです。もう彼女の音楽とファッションを追うことはできませんが、大事なものを守る際の攻撃性ぐらいはなんとか見習えそうです。5万円以上のお金とか自分へのご褒美用に購入したちょっと高いチョコレートとかを持っているときに発揮しようと思いマッスル。フンガー。