こんな世界はつくらなかった

秋もすっかり深まり、昼は紅葉を、夜はアッチを狩るのに忙しい時期になりました今日この頃、みなさま達者にお過ごしでしょうか。

さて久方ぶりの日記なのですが、わたくしことエビさん（蛯原友里さん）に憧れられている愛されOLのソー・スウィートな日常を書き綴っていても、決して自分じゃ意図していないのに「自慢かよ！」とみなさんの反感を買ってしまいそうですので、大人のマナー、そして自分への覚書として、今月親しんだ文化のことをメモしようと思います。

●森山塔

「捨てられていたエロ本を物色していて見つけた」という、絶好の状況で知人が手に入れた数冊を貸してもらいました。山本直樹は読んでいたものの、森山塔名義のマンガは「コミックキュー」で町野変丸の原作をしたものしか見たことがなかったため、嬉々として読み始めたのですが、ほんとうにエロいですね。中２男子だったら精根尽き果てちゃって次の日学校に行けません。山本直樹、線が細くて背景も白っぽくてどこか潔癖な雰囲気と、描かれている内容のえぐさのコントラストがたまらんちんです。背徳的なものすら感じさせます。綿密に重ねた線でエロの湿度を上げている松本次郎とは対極的ですね。松本次郎のエロが足し算方式であれば、山本直樹のそれは引き算方式です。
とまあ知ったような口をききましたが、男性のみなさん。山本直樹および森山塔の作品に正常位のごとく当たり前に出てくるアナルセックスですが、現実ではそうポピュラーなものではないと思いますので、ゆめゆめ誤解なさらぬようお気をつけあそばせ！
※今ウィキってて知りましたが、町野変丸さん、ゲージュツ活動をされているのですね。そしてマンガは廃業ですか。局部をおおっぴらに露出しているものの、あの内容じゃあ本来の目的としては使えなさそうだからなあ。しかし「スーパーゆみこちゃん」が「アート」に。思えば遠くに来たものです。わたしが。

●未開の惑星

松本次郎のですが、連載誌のこともあって相変わらずエロいのですが、今まで読んだ松本次郎作品で一番切ない話。
今年マンガで泣いたのは、大島弓子の「8月に生まれる子供」に引き続いて二度目。

●生命力

チャットモンチーの青いやつ。
「耳鳴り」時の「中ノ森BANDじゃなかったんや！」という衝撃を踏まえ、聴けば気に入ってしまうことは薄々気付いていたものの、ついつい「まーレンタル100円の時に借りるかあ」となおざりにしていましたが、やっと聴きました。
このたびも歌詞は稚拙なのですが、そして橋本さんの声はともすればYUKI的な「やーんめっちゃカワイー（全日本コール選手権vol.2をご存知のかたは「シャイニー」をイメージして脳内再生ください）」と消費されてしまいそうなトーンを持った可愛らしさなのですが、やはりよろしいです。
「都会で一生懸命頑張る田舎から出てきた若い女子は7割増カワイイ」というエロい視点を差し引いても、ストレートに気持ちを伝えようとする姿勢とは素晴らしいものなのですね。
伝えようとする「気持ち」の内容に「オトンとオカンへの感謝」「オレを支えてくれるオマエ」とか自覚なしのしょぼくさい薄っぺらい「ラヴ＆ピース」が混じってくると、急所を握りつぶしたくなる苛立たしさを覚えるものですが（「気負いなくさらっと頑張るナチュラルなアタシ」は論外です）、チャットモンチーの「気持ち」には身の丈が分かってる感があるから素直に受け取れるのだと思うのです。己の器を知っておくことって大事です。
あと、乙女的視点からの意見としては、歌詞カードで福岡晃子さんが履いてるブーツが可愛いです。どこのお店のものかご存知のかたは是非教えてくれまいか。この冬のヘヴィロテ★アイテムにします。

●BATTLES

魑魅魍魎が集うフジロックに行った方から「すごくかっこよかった」と聞いたり、ここ10年来立ち読みしているT・H・T（みなさんご承知でしょうがトンガリ・ハイセンス・ティーンの略）御用達雑誌「キューティ」のオススメCD欄に載っていたりと名前だけは知っていて、しかし一度検索してみたら「戦争」という事項が一杯出てきてそのなかから絞り込むのがイヤんなっちゃったので自分には縁のない音楽だと一方的に距離を置いておりましたが、親切な人に貸してもらうことができまんたよ。
※以下、念のため申し添えておきますがわたくしは決してBATTLESのみなさんを馬鹿にしているわけではありません。※
多分ロッキンオンとかの人が音楽的見地から的確な論評をしているかと思うので、「前から思ってたけど、お前ほんとは何にも分かってねえだろ」と嘘で塗り固めたアイデンティティを崩されたくないごだまめさんは「緻密に構成されたサウンドが秀逸」とか馬脚を晒すようなことは書きませんけれども、しかしものすごいひねくれ具合ですね。レゴでアンコールワットなどのややこしそうな建物を作っちゃった10歳前後（未発毛）の子どもを見てしまったような気持ちです。
わたしがこのバンドのメンバーの妹だったら「お兄ちゃんがキモい音出してるから、友達家に呼べないじゃない！ていうかお兄ちゃん自体キモい！」とキレていると思います。あとお父さんだったら真剣に息子を色町に連れて行くことを検討すると思います。もちろんおろすためにね。筆をね。
まあでもそんな彼らも人気者になった今じゃあ人種形状問わず異性をはべらし放題なんでしょうねえ。細かい作業は得意そうだからアッチのほうは安心ですよね！経験はそう重要なポイントじゃないからね！ボーイズ・ビー・アンビシャス（ハイタッチ）！
あ、このクリップは大好きです。シンバルの位置がイカすとともにイカくさいです。よう、兄弟！飲もうぜ！コーラでいいよね？